性格タイプ別 天職の探し方・天職との出会い方


 

外向(E)タイプ/内向(I)タイプ  興味や関心の向かう方向


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たとえばあたなの職場に中途採用の新人が入ってきたと想像してみてください。

ある新入社員のAさんはすぐにあなたの職場に溶けこみ、誰とでも気軽に会話し、ちょっと粗野には見えるけれど初めての仕事も適当にこなし、まるでずっと前からいた社員のように何の違和感もなくふるまっている。

別の新入社員のBさんは礼儀正しくマジメではあるが、慣れない環境になんとなくオドオドしているようにも見え、初めての仕事に対する不慣れと緊張のために動きはぎこちなく、まさに「若葉マークの新人さん」という感じ。


どうしてAさんとBさんのような違いが出てくるのかというと、

Aさんの場合、常に自分の興味や関心を周囲の環境や人に向けていて、初めての場所でもすぐに自分の波長を周囲に合わせることができる、

Bさんの場合、日頃から興味や関心がもっぱら自分自身の心の内側に向いているため、外側の環境に対応していくスピードに遅れが生じる、

ということが理由だと思われます。

ユング心理学では、上記のAさんのような性格タイプを外向(E)と呼び、Bさんのような性格タイプを内向(I)と呼んでいます。そして、これら外向(E)内向(I)の2つをあわせて、ユングは「態度」と名付けました。
かりにAさんとBさんの能力にまったく差がないとしても、外向(E)か内向(I)かという「態度」の違いだけで、AさんとBさんに対して周囲の人が抱く印象は180度違ってきます。



まず、外向(E)と内向(I)の違いを簡単にご説明します。


外向(E)タイプは、
日頃から自分の興味や関心が周囲の環境や他人に向いている。
良くも悪くも外からのいろんな影響を受けやすい。
他人との関係性の中で初めて自分を明確に自覚できる。
一言でいえば、他人から見て「わかりやすい性格」である。

内向(I)タイプ
自分自身の価値観や考え方に興味や関心が集中している。
外からの影響を自分の価値観に照らしあわせて取捨選択する。
一人でいる時にこそエネルギーがチャージされる。
特に外向(E)タイプの人からは理解されにくい。

※ここでカン違いされやすいことが一つあります。
外向(E)か内向(I)かということと、性格の「明るさ」とは関係ありません。
よく「外向的=社交的=明るい」「内向的=引っ込み思案=暗い」と“決めつける”人がいますが、これはユングが言う「外向・内向」という言葉を誤って解釈したものです。


上記のAさんとBさんの例だけで考えると、今の世の中ではAさんのような外向タイプの方がラクに生きていける、と思われがちです。しかし必ずしもそうとは言えません。
上記の例のように、確かに新人時代は外向タイプの方が有利かもしれません。でも、やがて内向タイプのBさんも新しい環境に慣れてくると、逆に外向タイプのAさんを圧倒するほどのパワーを発揮していくケースがよくあります。



外向(E)、内向(I)の見きわめは、天職探しを左右するポイント。


外向(E)、内向(I)の違いを理解することは、天職探しをする上でも“基本の『き』”です。しっかり理解していただくために、もう少し詳しくご説明します。

外向(E)タイプの人はすでに述べたように、常に周囲に興味や関心が“散って”いて、外からやってくるいろんな刺激や影響を次々に受けやすい人です。
このことは次のような現象からも納得できます。
例えば外向(E)タイプの人が他人からひどい悪口を言われて一瞬落ち込んだとします。でも、次に何か嬉しいことが起きると先ほどの嫌な気分が吹き飛んでしまい、ケロッとしてしまうのです。これは外からの刺激によって気分が次々と「上書き」されていくからです。

“今の世の中”的に言えば外向(E)タイプの人に対しては「切り替えが上手」とか、「くよくよしない性格」とか、「前向き」などといった“ほめ言葉”が並びそうです。
でも見方を変えれば「自分を持っていない」「人間的に浅い」「失敗に学ばない」「忘れっぽい」「やや軽薄である」といったマイナス評価も出てくるかもしれません。

一方、内向(I)タイプの人はどうでしょうか。
外から入ってきた刺激を“真に受けて”、心の奥深いところで何度も何度も吟味する、という傾向があります。よって、いったん嫌な気分を味わったら、その後いくら楽しいことがあっても、それによって最初の嫌な気分が上書きされることがありません。つまり、「傷つきやすい」「苦しみを表に出さず、内側にため込む」という特性を持っているのです。
でも、やはり見方を変えるならば、「自分の世界を持っている」「学習能力がある」「ものごとを極める才能がある」といったプラス面もすごく大きいと言えます。

こうした両タイプの特性の違いを考えるならば、例えば人脈を次々に開拓していく必要のある仕事などは外向(E)タイプが有利、何か一つのことを自分の中で熟成させていく仕事は内向(I)タイプが有利、ということになるでしょう。
こうして、自分が就くべき仕事をまず大きくジャンル分けするためにも、外向・内向という分類はとても役立ちます。



いわゆる“成功哲学”は外向(E)タイプの人が対象。


「自分の天職は何か・・・」こうした悩みを抱える皆さんは、おそらく今までたくさんの自己啓発書や成功哲学に関する本を読んでこられたのではないでしょうか。
また、すでに独立して仕事をしていらっしゃる方なら経営哲学に関する本を読んだり、セミナーに参加したりしていらっしゃると思います。

本やセミナーで学んだことを実践して、自分の能力をさらに高めている人は大勢います。その一方で、そうした理論には感動しても、いざ自分で実践しようとすると失敗ばかり…という人も案外多いのではないでしょうか。

実はそれもそのはず。そもそも成功哲学というものを世の中に発表するような人というのは、まず間違いなく外向(E)タイプの人間であって、その結果、彼らの成功哲学は同じ外向(E)タイプの人にしかピンと来ない言葉で表現されている場合が多いからです。

逆に言うと、内向(I)タイプの人というのは自分の考えをあまり外に出さない傾向があるため、成功哲学の本を書いて出版する、などという“大それたこと”をしないものなのです。

世の中の成功哲学の本の大部分が外向(E)タイプの人によって書かれていて、外向(E)タイプの人が対象になっている、というのはこうした理由があるからです。



隣りの芝生が青く見えるのは性格タイプの場合も同じ。


外向(E)内向(I)の性格タイプに優劣は存在しません。あくまでも本人が「こっちの方が自然だな」「こっちの方が得意だな」と感じる「もって生まれた性格スタイル」です。
そうであるにもかかわらず、人間というものは「ない物ねだり」をする生き物です。自分にないものを得たいと考え、お互いがお互いをうらやましいと感じてしまいます。

外向(E)にとっては内向(I)が、内向(I)にとっては外向(E)が青々として美しい芝生に見えてしまうのです。
こうして、多くの人は自分を変えようとします。しかしその前にやるべきことは、まず現実の自分を理解し、ありのままの自分を活かす方法を考えることです。



無理に反対のタイプを演じるとストレスがたまる。


上の例で述べた内向(I)タイプのBさんの例をもう一度とりあげてみたいと思います。

何度か転職などをくりかえすうちに、学習能力の高い内向(I)タイプのBさんのような人というのは「何ごとも最初が肝心!」ということに気付きます。
そこで、初めての職場でもハキハキ振る舞おう、早く職場に溶けこもうとして、外向(E)タイプの人間を演じる努力をします。ところが入社から1か月、2か月…とたつうちに、少しずつメッキがはがれてきて、それまでの無理がたたって体調を崩す、ということが起きてしまいます。もしかしたら「五月病」というのもこのことを指しているのかもしれません。

こうしたケースは外向(E)タイプの場合も同様に起こります。
周囲にさんざん振り舞わされる自分にすっかり嫌気がさして、ちょっとは内向(I)タイプを見習おうとして外界との関係をシャットアウトしてしまう人がいます。ところがそれが逆にストレスになるのです。
もともと内向(I)タイプであれば一人でいてもエネルギーをチャージできます。
でも、外向(E)タイプの場合はもともと人間関係こそがエネルギーの補給場所だったので、あっと言う間にエネルギーが枯渇してしまい、元気がなくなってしまうのです



性格タイプは単なるレッテル貼りではありません。


すでに述べたように、自分の天職を探そうとする場合、自分は外向タイプなのか内向タイプなのかをまず見きわめることがとても大切です。そしてその後、これからご紹介する「感覚」「直観」「思考」「感情」という心の「機能」について考えていきます。

ユングが発見した「性格タイプ」という考え方は、人の性格に優劣を付けるものではありません。
また、一律にレッテルを貼り付けて人間を型にはめるのが目的でもありません。
むしろタイプというものを積極的に利用していくことで、生き方や天職探しに役立てていくことができるツール、それがユングの言う「性格タイプ」なのです。