感覚(S)タイプ/直観(N)タイプ ものごとの知覚のしかた
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このページの新URL:人が外から情報を取り入れる方法は2つある。
人間はつねに自分の周囲からいろんな情報を取り入れながら生きています。
この「情報を取り入れる」行動を心理学的には「知覚」と呼んでいますが、この時の「知覚のしかた」によってタイプ分けしたものが「感覚タイプと直観タイプ」です。
感覚(S)タイプの人 というのはまさに現実主義者のことです。目で見る、耳で聞く、においを嗅ぐ、触ってみる、味わってみる、というように肉体の五感をもって世の中の「事実」を知覚、すなわち理解しようとするタイプです。 |
直観(N)タイプの人 は「ひらめき」や「インスピレーション」で物ごとの本質をとらえてしまう人のことです。五感でとらえたものは表面的な現象に過ぎず、その裏側にある法則こそが真理である、と考えています。また、リアルな現実よりも理論や理想を大切にする人でもあります。 |
感覚(S)タイプと直観(N)タイプとの違い、いろいろ…。
例えば海外旅行でギリシャの神殿など歴史的建造物を見学した場合、
感覚(S)タイプは
「ほう、立派な柱だな(と、実際に柱を手でパンパンと叩いて感触を確かめる)。どう見ても直径2メートルはあるぞ。高さは10メートル以上ありそうだ。それにいったい何本の柱が立ってるんだろう(と、柱の本数を数え始める)。それにしてもこんな何百トンもあるような大量の大理石を運ぶのは肉体的にキツイ仕事だよな。」
というように五感で徹底的に建造物という現実をリアルに観察するでしょう。
直観(N)タイプなら
「これは美しい建造物だ。この立派な大理石の神々(こうごう)しさといったら感動的だな。この何本あるかわからない柱が天上の世界を思わせる荘厳な大理石の屋根を支えている姿は、まさに古代ギリシア人にとって神々が支配する“宇宙”の表現だったんだろうな。」
などと必ずしも事実や数字に基づかない“真理”を現実の裏側に見ようとします。
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感覚(S)タイプは起きている事を『5W1H』でとらえる傾向があります。
つまり「Who(誰が)、What(何を)、When(いつ)、Where(どこで)、Why(なぜ)、How(どうやって)」という、誰もが事実として計測できる事実を重視しようとします。
直観(N)タイプは目の前に起きていることの裏側にある法則や原理こそ重要な真理である、目の前の現実のみに注目するのは「木を見て森を見ない」姿勢である、というように考えています。
感覚(S)タイプと直観(N)タイプがお互いを誤解しあうとき…。
こうした性格傾向の違いから、この2つのタイプは時にお互いを誤解しあう場合があります。
感覚(S)タイプから見ると、直観(N)タイプは単なる理想主義者で現実の厳しさから目をそらそうとしている、何を聞いても現実的に煮詰めた具体案を出さず、夢みたいな漠然としたことばかり言っている理屈屋にすぎない、といった印象を持ってしまいがちです。
直観(N)タイプから見ると、感覚(S)タイプはディテールばかりにこだわる視野の狭い人で、物事を全体の流れの中で見たり未来を見通そうともせず、目の前のことだけに縛られていて、将来の夢を語り合えない「つまらない人間」だ、と思えてしまう場合があります。
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感覚(S)タイプと直観(N)タイプの恋人どうしが食事をするレストランを選ぶ時、ちょっとした「いきちがい」が生じる場合があります。
舌が肥えていて食通の感覚(S)タイプの彼は「食事をするなら、まず味だ。店の雰囲気など二の次、三の次でよい」と考えます。
ところが直観(N)タイプの彼女の方は「味は味で大切だけど、大切な二人の記念日だからこそ雰囲気のよいレストランで食事することに意味がある」と考えます。
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感覚(S)タイプと直観(N)タイプの違いをよく表しているエピソードがあります。有名な話なのでご存知の方もいらっしゃると思いますが、ここでもご紹介しておきましょう。
感覚、直観の両タイプの音楽仲間がモーツァルトについて語っています。
直観(N)タイプの人がモーツァルトの素晴らしさを熱く語っているのを聞きながら、感覚(S)タイプの人は「よくあんな時代遅れの音響の悪いプレーヤーでモーツァルトを聴いて、モーツァルトが“わかる”などと言っていられるものだ」とあきれ顔になっています。
しかし直観(N)タイプの人にしてみれば、「感覚(N)タイプの彼は単なるオーディオマニアに過ぎず、モーツァルトが好きだなどと言っていながら、実はご自慢のプレーヤーが好きなだけだろう」と皮肉の一つでも言ってやりたくなる、という話です。
感覚(S)タイプと直観(N)タイプの仕事スタイルの違い。
この2つのタイプの「現実指向VSひらめき指向」という構図は、「仕事に取り組む姿勢」においても特徴的に現れます。例えば営業マンの場合なら次のような違いが出てきます。
感覚(S)タイプの人の営業スタイルは「地道な努力で利益を着実に積み上げる」といった感じです。マーケティング調査の数字をもとに、まず、営業エリアやターゲットをリストアップします。そしてそれをもとに営業をしかけ、コツコツと販路を拡大していきます。いわゆる「足で営業するタイプ」ともいえるでしょう。
直観(N)タイプの人の営業スタイルは「アイデア」や「インスピレーション」に頼る傾向があります。例えば電車の中で小耳にはさんだ女子高生の会話をもとに「あっ、そうだ!」と突然アイデアがひらめきます。さっそく企画書を書き上げて会議に出すのですが、確たる根拠もないアイデアなので、ほとんどの人は大反対するでしょう。でも、たまたまその企画が通った場合、大ヒット商品につながる可能性があります。
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天職を探している皆さんの場合、ご自分はどちらのタイプだと思いますか。どちらのタイプであったとしても、あなたのその「タイプ」を自由に活かせる職場を選ぶことが大切です。
ただし、一概に「この業界は感覚(S)タイプ向けだろう」とか、「この職種は直観(N)タイプの方が有利だな」などと早合点してしまうのは危険です。
同じ業界、同じ職種であっても、感覚(S)タイプが生きやすい会社もあれば、直観(N)タイプが生きやすい会社もあります。
「天職」を探すということは、ある意味、「天職場」を探すことでもあるのですから、とりあえずは“企業の求人に応募し、面接を受けてみる”という「行動」を起こしてみる必要はあるでしょう。