思考(T)タイプ/感情(F)タイプ ものごとの判断のしかた
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このページの新URL:価値判断をする方法には2つのタイプある。
人間はつねに自分の周囲に対して「良い」「悪い」、あるいは「好きだ」「嫌いだ」などの“判断”をしています。この時の「判断のしかた」を大まかにタイプ分けしたものが「思考タイプと感情タイプ」です。
思考(T)タイプの特徴は 「物事を論理にしたがって判断していく」ところにあります。 例えば「AならばBであり、Bであるということは、すなわちCである」というように、論理の階段を上から下へと素直に降りてくるだけで、途中で横道にそれたりはしません。 |
感情(F)タイプの特徴は 「人の気持ちに共感しながら判断していく」ところにあります。 例えば「Aの次はふつうBだが、みんなの気持ちがCならばそれもありえる」というように、そのつど人の気持ちや好き・嫌いの感情に配慮し、共感しながら判断していくのです。 |
★ここで注意しておいていただきたいことがあります。
思考(T)タイプか感情(F)タイプかということと、いわゆる“頭のよさ”とはまったく関係がありません。
また、「思考(T)タイプは“冷静”で、感情(F)タイプは“感情的”」という解釈も間違っています。
矛盾するように聞こえるかも知れませんが、思考(T)タイプであってもすぐにカッカと熱くなって“思考する”人はいますし、感情(F)タイプであっても常に“冷静に”感情機能を使いこなす人はたくさんいます。
思考(T)タイプと感情(F)タイプの典型的な相違点。
会議などで、ある人が出した企画に決定的な間違いがあって、変更を要求しなければいけない時、この2つのタイプの言い方には次のような違いが出てくるでしょう。
思考(T)タイプの場合はその企画がなぜダメなのかを淡々と論証して、その結論として内容を変更することがベストである、とビジネスライクに伝えるでしょう。
感情(F)タイプの場合であれば、まずその企画をがんばって立案してくれた労をねぎらい、その企画のすぐれた点をいくつか挙げた上で改善点をほのめかす、という流れで自主的な変更を促すでしょう。
なぜこのような“遠回し”の伝え方をするかというと、「ダメ出しを喰らった相手が傷ついてしまうのではないか」ということを心配しているからです。
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こうした性格傾向の違いから、この2つのタイプはお互いに厳しい評価をしがちです。
思考(T)タイプの人は感情(F)タイプの人を「嫌なら嫌だとはっきり言ってくれれば良かったのに、いつも遠回しに言うから何が言いたいのかさっぱりわからない」と考えてしまいます。
感情(F)タイプの人は思考(T)タイプの人を「相手の身になって考えてあげなければいけない場合でも、どことなく距離を置いて見ている冷淡な人間だな」と感じてしまいます。
判断のしかたが違うために、相手を誤解してしまう。
人と会話をしている時、「ああ、この人は親切な人だなぁ」「なんて優しい人だろう」などと思ったり、逆に「不親切な人だなぁ」と感じることもあるでしょう。
皆さんは話し相手のどんな部分に対して「親切さ」または「不親切さ」を感じますか?
「親切な人である」「不親切な人である」と感じることも一種の“判断”であって、これもやはり感情(F)タイプと思考(T)タイプとで判断のしかたが違ってきます。
例えばあなたが職場で仕事上の悩みを抱えていたとして、それを同僚に相談したとします。
もしあなたが感情(F)タイプの人であれば、同僚があなたを気遣いつつ、共感を示しながら温かい言葉で励ましてくれた場合、「ああ、親切な同僚だなぁ」と感じることでしょう。
逆に、もしあなたが思考(T)タイプの人であるなら、同僚があなたの悩みを客観的に分析した上で「要するに問題点はこういうことだよね。その問題解決に向けてとるべき方法は…」と論理的に解決策を示してくれた場合、「ああ、なんて親切な同僚だろう」と感じることでしょう。
ところが同じく思考(T)タイプのあなたに対して、もし同僚が先ほどの感情(F)タイプ向けのような心情的アドバイスをしたとしたら、あなたは「真剣に相談しているのに、なんか適当にあしらわれている気がするな。なんて不親切なやつだ」と思うかもしれません。
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人は誰しも「自分が人からされたいように、人にもする」という習性があります。
すなわち、感情(F)タイプの人間は人から共感されるのが好きなので、他人に対しても共感的に接しようとします。
対して、思考(T)タイプの人間は人から一貫した論理のもとに接して欲しいと考えているため、他人にも論理的にスジを通して付きあおうとします。
この時、同じタイプどうしなら通じ合うのですが、お互いのタイプが違う場合には、たとえ「よかれ」と思っての言動であっても相手の方は気分を害する場合があるということです。
今の職場に違和感をおぼえる原因を探る。
どの会社でも思考タイプの人と感情タイプの人が入り交じって働いています。お互いに判断のしかたが違うので、“思考族”と“感情族”との間にはしばしば誤解やいきちがいが生じます。
でも、「タイプによって判断のしかたに違いがあるのだ」ということを心得ているだけで、そうした誤解が生まれる原因がわかり、その誤解に対処することもできるようになってくるでしょう。
※
転職をして、自分が配属になった部署でたまたま自分と違う性格タイプの上司にあたってしまったり、あるいは自分と違うタイプのメンバーばかりがいる職場であった場合、少し居心地のわるい思いをするかもしれません。
しかし、だからといって「この転職は失敗だった」「これは自分の天職ではない」と早々に見切りをつけてしまうのは考えものです。
一つの対策としては、職場で優勢を占める性格タイプを見きわめ、「周りがそういう言い方をするのはそういう性格タイプの集まりだからであって、別に悪気はないのだ」というように“わりきる”ことです。
(ただし、思考(T)タイプの人は比較的“わりきる”ことが得意ですが、感情(F)タイプの人にとっては意識的な努力が必要かもしれません)
このサイトで性格タイプを学んでいただいたなら、皆さんは自分を含めた職場の人間関係を上の方から客観的に見おろせるようになるでしょう。そうすると今まで以上に冷静になり、自分をコントロールすることができるようになると思います。
もう一つの対策としては、やはり職場、つまり会社を変えてみることです。
たとえば事務職に就いていて、今の職場の人間関係に悩んでいたとします。その場合、「やはり事務職は自分の天職ではない」と決めつけてしまってはいけません。
性格タイプという観点で見たとき、たまたま今の職場のメンバーが自分にあわないだけかもしれません。その場合、事務職という選択はそのままにしておいて、職場だけを変えてみるのです。自分の性格タイプにあった会社に入った場合、やはり事務職は自分にとって天職であったということに気づくことも多いはずです。