知覚(P)タイプ/判断(J)タイプ 周囲との接し方
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このページの新URL:今までご説明したことを簡単におさらいしておきましょう。
●人の性格タイプには「外向」と「内向」という2つの基本的な“態度”がある。
●人の心には「感覚」「直観」「思考」「感情」の4つの“機能”がある。
そして
「感覚」「直観」は「ものごとの知覚(P)」に関係する。…情報のインプット
「思考」「感情」は「ものごとの判断(J)」に関係する。…情報のアウトプット
※
ここまではユングのタイプ論を簡単に整理したものです。
次からはいよいよユングの考え方を発展させたMBTIの考え方についてご説明します。
少し難しいかもしれませんが、できる限りわかりやすく、簡単に整理してみたいと思います。
※もし難しいようであれば、途中の説明をとばして「ここ」から読んでいってください。
人は外向か内向のどちらかをメインに使い、もう片方はサブ的に使っている。
例えば今ここに、性格テストを受けた結果、
「E(外向)-N(直観)-F(感情)」となったAさんという人がいたとします。
この人の場合、「直観」機能も「感情」機能もともに「外向的」に使われているのでしょうか。
実はそうではありません。
「直感」機能か「感情」機能のうちのどちらかが「外向的」に使われていて、もう片方の機能は実は「内向的」に使われているのです。
Aさんの場合、もし「感情」機能が「外向的」に使われているのであれば、「直観」機能は「内向的」に使われています。
つまり、このAさんは外向的感情と内向的直観をよく使っているタイプだと言えます。
そして、性格全体として見ると、このAさんは外向的感情をメインに使っていて、内向的直観はサブ的に使っていることになります。
すなわち、
外向的感情 > 内向的直観
となっています。
だから全体としては、「外向的」なタイプの人である、といえるわけです。
※
もう1人、例をあげてご説明しましょう。
「I(内向)-S(感覚)-T(思考)」となったBさんがいたとします。
もし、この人の「思考」機能が「内向的」に使われているのであれば、もう一方の「感覚」機能は「外向的」に使われています。
つまり、このBさんは内向的思考と外向的感覚をよく使っているタイプです。
性格全体としては、Bさんは内向的思考をメインにつかっていて、外向的感覚はサブ的に使っていることになります。
すなわち、
内向的思考 > 外向的感覚
となっています。
だから全体としては「内向的」なタイプの人である、といえるわけです。
どちらを外向的に使うかによって「知覚(P)タイプ」と「判断(J)タイプ」に分ける。
もう一度、AさんとBさんの性格タイプを見てみます。
Aさんは
外向的感情(メイン) > 内向的直観(サブ)
Bさんは
内向的思考(メイン) > 外向的感覚(サブ)
この時、どちらの機能がメインでどちらの機能がサブか、というのはちょっと横に置いておいて、
どちらの機能を外向的に使っているかに着目します。
Aさんの場合は 「感情」、つまり情報のアウトプットに関する判断(J)機能を外向的に使って います。 よって、こうしたタイプを判断(J)タイプといいます。 MBTIの表記で言えば、Aさんは「ENFJタイプ」、つまり E(外向)-N(直観)-F(感情)-J(判断)です。 |
Bさんの場合は 「感覚」、つまり情報のインプットに関する知覚(P)機能を外向的に使っています。 よって、こうしたタイプを知覚(P)タイプといいます。 MBTIの表記で言えば、Bさんは「ISTPタイプ」、つまり I(内向)-S(感覚)-T(思考)-P(知覚)です。 |
白黒つけたがるタイプか、結論を保留しておきたいタイプか。
知覚(P)タイプの「P」は「Perceive(理解する)」の頭文字です。心理学の世界ではこの単語を「知覚」と訳していますが、皆さんにもわかりやすいように、「理解する」という訳語に置き換えてご説明します。
「知覚のしかた」または「理解のしかた」については、タイプによって感覚(S)的な方法による人、または直感(N)的な方法による人の違いはあります。
いずれの方法であっても、この「理解(知覚)する」とは、言い換えると「まだ結論を出すのは時期尚早だ、もう少し様子を見て、全部をキチンと理解してから判断しよう」という意味に解釈されます。
「あそこの親は子どもに対して理解があるよね」という場合の「理解」と同じ意味だと思ってください。つまり、子どものすることに対して親の立場から一方的に「あれは良い、これは悪い」とジャッジしない。良いところも悪いところも理解した上で、結論はしばらく保留しておく、という意味です。
※
判断(J)タイプの「J」は「Judge(判断する)」の頭文字です。
いつまでも情報収集をしたり考えてばかりいないで、とりあえず手持ちの情報や材料だけからさっさと結論を出してしまおう、白黒を「判断」してしまおう、というタイプです。
「判断のしかた」にはついては思考(T)的な方法による人、または感情(F)的な方法による人の違いはあります。
いずれの方法であっても、このタイプの人は知覚(P)タイプの人のように結論を保留することを好まず、何はともあれ「決めてしまう」ことによって安心感を得る人です。
そして、何事も「さっさと決めてしまう」ためには何事もスケジュール通り、ルール通りに進行してくれた方が都合がいい、というふうに考えます。
せっかち(?)なタイプと優柔不断(?)なタイプ。
知覚(P)タイプの人は「いま決めてしまうと後々よくない結果になるのではないか」という心配が先に立ちます。そこで、すべての状況を理解しつくしたあとで判断しようとするため、結果的には「結論を先延ばし」にしてしまうことになります。
判断(J)タイプの人から見ると、知覚(P)タイプの人はいつまでたっても態度をはっきりさせないため「優柔不断な性格の人だ」ということになります。
一方、知覚(P)タイプの人から見ると、こうした判断(J)タイプの人はとかく“せっかち”で、やたらと結論をせかす人、何でもかんでも「決めつけてくる」性格、一方的に自分の価値観を「押しつけてくる」嫌なタイプのように思えます。
※
もし、この2つのタイプの人間が口論となった場合は、判断(J)タイプの人が優勢となり、知覚(P)タイプの人が守勢に立たされる場合が多いかもしれません。それは次のような理由があるからです。
判断(J)タイプの人にとっては、相手の知覚(P)タイプの人が間違っていることは「自分の中ではすでに決まっている」ことなので、あとは手順に従って相手の間違っているところを順番に指摘していけばよい、ということになります。
知覚(P)タイプの人の立場からすると、「自分の考えに自信がないわけではないが、相手の判断(J)タイプの人の言い分もそれはそれで理解できる。相手の判断(J)タイプの人がそこまで自信たっぷりに主張するということは、もしかしたら自分に落ち度があるのかもしれず、自分がそれに気づいていないだけかもしれない。とりあえず自分の主張はほどほどにして、今は相手の言い分も参考として聞いておこう」ということになるのです。
こうして周囲の人の目には、判断(J)タイプの人が知覚(P)タイプの人を一方的にやりこめているように映るのです。
企業も、社風も、職場の雰囲気もおおまかにタイプ分けできる。
実は企業にも知覚(P)タイプと判断(J)タイプの2タイプがあります。
知覚(P)タイプの社風を持った企業の場合、主力商品を一つに絞ることへの不安があったり、いろんなことに手を出しておいた方が不況になった時の“保険になる”のではないか、という考えから、いろんな分野に手を出していることがあります。
そのため周りからはいったい何をやっている会社なのかわかりづらい、といった印象になります。しかし見方を変えると、あらゆる分野にビジネスチャンスを見つける柔軟性のある企業だとも言えるでしょう。
判断(J)タイプの社風をもった企業の場合、創業以来、主力商品…というか、その商品だけをずっと売り続けているといったイメージがあります。そして気がついたら他に追随する企業がいないため、その分野ではダントツのシェアを誇っている場合も多いでしょう。
こうした企業の場合、めったに倒産はしないかもしれませんが、世の中がガラリと変わってしまった場合には思い切った変革が必要になります。
※
今、社風という観点で知覚(P)タイプと判断(J)タイプの2タイプをご説明しましたが、これはそのまま経営者の性格タイプでもあり、さらにはその職場の雰囲気、またそこの社員たちの性格タイプの傾向にも合致します。
応募する企業を選ぶ際、まずその企業の性格タイプを分析してみることで、自分の性格タイプとの相性を考えてみるのも一つの方法でしょう。